NAIST合格体験記2回目受験

私は、2022年度第3回選抜試験(2023年春学期入学)で、奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域 博士前期(修士)課程に合格しました。

NAISTに合格するまでの経歴や対策などを公開してNAIST受験される方の手伝いになればと思います。

背景

学部 滋賀大学データサイエンス学部

TOEIC 890点

GPA 2.2

プログラミングスキル 少しだけ(学生時代に少しだけインターンとかで触ってた程度)

大学院浪人(希少種)

以上がざっくりとした経歴です。

 

何故この記事書くか

大学院浪人の例はかなり少ない(大体就職する)のと1回目落ちて2回目合格の例はかなり稀だと感じたためです。

1回目で心折れて院進諦めたり、諸事情で院浪することになったような人への励みになればと思いました。

お察しの通り自分は賢くないので(賢けりゃ一発で通す)、色々試行錯誤して受験勉強したりしました。後仕事しながらの受験勉強も人生で2回ほど経験してるので社会人から大学もしくは大学院に進学を考えている方の参考になればと思います。

おそらくこの記事に飛ぶ人はおそらくNAISTの試験がどんな感じかとかはもう頭に入ってられると思うので詳細は結構省きます。

進学先の決定

まず大学院進学をするにあたって大体は学部の大学にそのままが一般的だと思います(正直そのほうが絶対効率良いと思います。)

しかし、選考を変えたい、やるたいことを変えたい、今の環境だと生死に関わる等他の研究室に行く理由はそれぞれあると思います。

私がNAISTに進学を決めた理由は以下です。

  • 自分のやりたい分野の研究室があった
  • 試験対策の容易さ
  • 立地条件が比較的良い
  • 専攻変えた組が周りに居る

やりたい分野ができる研究室がかなり限定していたので選択肢は自ずと絞られました。

試験対策の容易さは他大学に比べると数学と英語小論文だけは非常に助かりました。

立地は元々の大学が風のせいで電車実質機能していない地域だったので大阪30分で行ける時点で好立地に見えました。

専攻変えた組が周りに居るのは非常に気楽で他大の院だとどうしても足りない部分は自分で積み上げる前提になるので周りに気楽に相談できる環境は良いと思いました。

1回目の試験までにやったこと

研究室訪問

まずはオープンキャンパスで希望研究室に研究室訪問しました。

興味のある研究テーマについて担当の先生と面談しました。

ただ後の反省点で詳しく言いますがこの時の質問などはかなり爪が甘く面接にも響きました。

後は先生方に直接小論文を読んでもらうことはお断りされるケースが多いと思います。

大体は研究室の学生の方々にしてもらえることになりますので学生との面談をして実際の研究室の雰囲気等感じられればと思います。

私もその時M2の方に添削をしていただきました。

 

 

英語

かなり苦労しました。学部生の頃から700以上碌に取れたことがなかったのですが、GPAが低いため英語でなんとか挽回しようとTOEICのスコアを上げることに尽力しました。

とにかく公式と金フレの周回だと思います。TOEICの模試(青いやつと黄色いやつ)を最初徹底的にやりこめば良いと思います。公式問題集で800超えるまではそれをして、800越えればあとは公式問題集をひたすら周回して間違えたとこを対策が一番早いと思います(英語力とTOEIC力は別です。)

やったこと

  • 朝に一度模試or公式問題集2時間セットを解いて間違えたところを付箋で貼る
  • 通勤中に間違えた部分の復習をする
  • 寝る前金フレ200単語毎日(前日やった100単語と新規の100単語を暗記)

これらを合計3か月ほどやってなんとか890点に滑り込みました。

 

数学

1冊でマスター 大学の微分積分

www.amazon.co.jp/dp/477416545X

1冊でマスター 大学の線形代数

www.amazon.co.jp/dp/4774170372

の2冊でやりました。

個人的には微積分はこれで十分ですが線形はもう少しちゃんとしたものをしたほうが良いと思います。

後の失敗談にも書きますが線形代数は解けませんでした

近年の傾向だと線形代数は証明系の問題が増えてる印象があるので上記問題集はどちらかといえば計算が解けるようになろうと問題集な気がするので

線形代数

www.amazon.co.jp/dp/4535786542

これ等良いらしいです。

小論文

結論から言えば酷い出来でした。

小論文を書くときに志望先の研究室に合わせようとした結果雑で酷いものが出来上がってしまいました。正直見るに堪えないものでしたし、しっかり面接時に指摘されました。1週間ほどで作りました。後は先生との話し合い不足だったのも大きかったです。

試験

webexというオンライン通話システムで試験を行い大きい紙にサインペンで見せながら問題を解くという形式です。数学の結果は解析1/2線形0/3でした。

色々と直前でマシントラブルがあったり等で緊張していたのもありますがにしても出来がひどかったです。

覚えているのは分数系の偏微分をしたことと線形はジョルダン標準形の導出だった気がします。かなり頭が白くなっていました。

面接は何故選考を変えたのか(データサイエンスからブロックチェーンと完全に異分野)

それを学習できる何か素地はあるのか

研究内容では何故SVMの利点を答えよだったのですがパラメータ調整云々の話をしていましたが、それならラッソ回帰は?でサンプルが少なくできます→なんでで言葉が詰まりました。終わったと思いました。

結果

もちろん不合格でした。詰んだなぁと思いました。

2回目の試験までにやったこと

 

研究室訪問

泣いてても何も始まらないので具体的に動こうと思いサマーセミナーにすぐ申し込みました。

専攻分野とは違ったのですが最適化云々は学部の頃やっていたのでやってみるだけやってみようと思いだしました。

サマーセミナーではNFVによるネットワーク最適化を線形計画法pythonで解きました。

学部の頃、最適化理論の授業取っておいて良かったです。

研究室の先生にやりたい事をちゃんと話して研究テーマを練りました。

自分のやりたいことが少し突拍子もないことだったのですが先生に話すと好印象でちゃんとそれを小論文に落とし込んだら良いんじゃない?と言われたので小論文のテーマは自分のやりたいことベースで書きました。

英語

誤差だと思いその点数のまま出しました

数学

問題集はそのままに学部時代のPDFが丁寧だったのでやりました。

4年間必修の解析学の授業を受けただけはあります。

線形代数は久保川本で対策しましたが結果は怪しかったです。

 

小論文

やりたいことベースだったのでかなり書きやすかったです。

ただそれをどう根拠として裏付けるかの作業に論文を複数読んだ記憶があります。

添削は落ちた手前研究室の方にしてもらうのは申し訳なかったので、友人にして頂きました。

試験

同じくwebexで行いました。

解析学は1/1 線形代数は2/3です。最後の問題も解ける手前くらいまではいきましたが時間制限でアウトでした。

解析学は逆三角関数の合成の公式証明でした。

線形代数固有値を出して、固有値の公式を導出してそのあとトレースと固有値の和に等しいことを証明するとかだったと思います。

面接は改めて何故選考を変えたのかから始まり、分析手法と今回提案した手法の説明と検知方法について説明を質問されそれに返答→質問→返答→...としているうちに面接が終わりました。

正直合格フラグらしいものが無かったので終わったと思いました。

結果

合格でした。かなり大変でしたが小論文は自分に書きやすいものが良いと思います。

ネット見てると研究室先の研究に合わせて小論文書ける人めちゃくちゃ多くて驚きました。僕はそれをして大失敗したのでやりたいことが具体的にあるならば研究室訪問で確認してそれをしっかり描けば受かると思います。

あとがき

1回目で落ちても諦めないで頑張ってください

このタイミングでこの記事を出そうと思ったのは丁度落ちて凹んでる人が多いからと思ったからです。ネットだと1回目合格しか見れないので不安にあるのはわかりますが、大丈夫です。院浪の人も安心してください頑張れば受かります。

頑張ってください努力は報われます。

補足

また、これは全体を通して仕事をしながらの勉強される際のポイントですが私が意識して取り組んだのは勉強量と勉強時間の最小単位と基準時間を先に作り上げてしまうことだと思います。ex)10分あれば単語50個や30分あれば数学の問題一問等

社会人だとどうしても時間がとれない事が多いと思いますが絶対に毎日何かしらの勉強をするというのが大事です。少し勉強しなくなると結構心が折れます。